任豚「うちが火事ブヒー うわああああ ハムゾウ！ ハムゾウーーー！」

同じニコイチ住宅に住む隣人でドカタの朴さんがヘビースモーカーな上にゴミ屋敷で庭もゴミだらけでさらに火の付いたままの吸い殻をポイポイ庭に投棄するのでボヤ騒ぎはこれまで何度もあった。
今回も火元はアイツに違いない。
しかし今回はボヤでなく本格的に燃えている。

「うわああああ　ハムゾウ！　ハムゾウーーーー！」
愛ハムスターを家に置いたままであったニシオはパニックになった。
ハムスケはケージに入っているので自力脱出もできないであろう。

家の前には消防隊員と野次馬、そしてふんどし一丁でタバコをくわえた朴さんがうつろな目で燃える家をボーッと見つめている。
部落特有の複雑な道が入り組んでいて大型の消防車は入れない。
ニコイチ住宅に象徴されるような改良住宅の建設が進行しているは言え、区画整理はまだ途上でバラックの違法建築も多く防犯や消防上の課題は多く残っていた。

「ハムゾウ！すぐに助けに行くブヒーーー」
消防隊員「ダメです！危険です！」
ニシオ「うわああああ　離せ！　離せーーーー！」

静止を振り切って火の中へ飛び込んで行った。

🔥🔥🔥🔥🔥🔥
🔥/-O-O-ヽ🔥「ハムゾウェェェェェ！！」
🔥🔥🔥🔥🔥🔥

ハムゾウのケージにたどり着く。煙を吸ったのが元気はないが生きているようだ。
「よかった　早くここから出よう！」

そのとき
「ぐぇっ！」
梁が落ちてきた。
ニシオは下敷きになって動けなくなる。
朦朧とする意識の中ケージの扉をあける
「ボクはもうダメだブヒー。ハムゾウ、おまえだけでも逃げるんだブヒー・・・・」
ハムゾウはチョロチョロと逃げていった。

ニシオと朴さんのニコイチ住宅を含めて周辺３０ｍのバラックが燃えた。
これでまた部落の区画整理は進むであろう。
跡地には同和マネーで立派な隣保館が建設された。

ちなみに火事の翌日、部落に住み着いている野良猫のクロちゃん（♀）が栗色のネズミをくわえているところを複数の部落民が目撃した。
[End]

性別表記がない以上、ニシオ（１６　女子高生♀）かもしれないし、朴さん（４３　トランスジェンダー）かもしれぬ