【別の世界線】高校生俺「へぇー、アンドロイドなんだ」 高校生任豚「」

入学式後、初のクラス。
俺「ニシオくんっていうんだ。キミはiPhoneなんの機種使ってるの？14？15？それともSE？」
ニシオ「Oppo Reno9a…」
俺「ファッ？　もういちど言って」
ニシオ「おっぽ　れのないんえー」
俺「おっぽ？　聞いたことないんだけど・・・そんなスマホあったんだ。」
ニシオ「うん。Androidで、Oppoはコスパがいいメーカーだよ。安いけどほら、ディスプレイは有機ELだし、カメラも4800万画素あってハイエンドと遜色ないんだ。画質下げれば原神とかも動くんだよ」
俺「へぇー、アンドロイドなんだ（笑）・・・　・・・　・・・　いや、俺もアンドロイド持ってるよ。普段用のiPhone15 Proとは別に、ゲーム用にXperia 1 VI使ってるよ。やっぱ最新のゲームを本格的に遊ぶならスナドラ8 Gen3じゃないと駄目だよね」（マウント）
ニシオ「そうだね。それは理想的な環境だね。可能なら僕もほしい。でも親に養ってもらっている身でぜいたくは言えないよ。将来ちゃんと働いて自分でお金を稼げるようになってから、趣味にお金をかけたいと僕は思うよ。」
俺「そ、そうか・・・」
俺は安いAndroidを使っているこいつをからかっていじめてやるつもりでいたのだが、肩透かしを食らった。

そのうち俺が仲間外れにされはじめた。
親のカネで何でも買ってもらえるのを自慢しすぎてみんなの中で浮いてしまったのだ。
大抵の高校生は満足いく小遣いを持っているわけでもなければ、欲しくても手に入らないものは無数にあるのだ。
無いなりに工夫して楽しみを見つけて遊ぶ。
図書館で読書し、読んだ名著について語り合ったり、囲碁・将棋といった非電源ゲームをメインに遊ぶ者もいる。

それら全てに俺は絡むことができなかった。
高校に入るなりできる友達グループ分け。そのいずれにも入ることに失敗し孤立した。
学校が嫌になった。

かろうじてジャイアンみたいなヤンキーのグループの使いっ走りとなった。
家にカネがあることを見透かされ、仲間というよりも金品をたかられるATMだった。

ニシオは仲間はずれにはされなかった。
たしかに貧乏ではあったが、彼の心の優しさ、高潔さをみな理解し、なぜか彼のまわりには友達が集まってきた。
AirDropが使えないぐらい、LINEを使っていれば大した問題ではない。

俺は、悪い先輩の夜遊びにも付き合わされ、学業どころではなく、成績はどんどん落ちていった。
そんな俺を助けてくれたのは、ニ年の二学期に生徒会長となっていた、他ならぬニシオであった。
（つづく）

ある日、ニシオは校内でふらふらと歩いている俺に声をかけた。

ニシオ「君、最近元気ないよね。何かあった？」

俺「…何でもないよ。お前には関係ない。」

そう言い放ったが、心の中では救いを求めていたのかもしれない。俺は成績も落ち、仲間と思っていたヤンキーグループにはたかられ、家では親に呆れられる日々が続いていた。自分がどこに向かっているのか、全くわからなかった。

しかし、ニシオはその態度にも動じず、静かに言った。

ニシオ「もし何か困っていることがあるなら、相談に乗るよ。誰かと話すだけで、少しは楽になるかもしれないから。」

その言葉に、俺はなぜか涙が込み上げてきた。今まで誰にも言えなかった苦しみが、胸の中で溢れ出した。

俺「…全部うまくいかないんだ。学校も、友達も、家も…お前みたいに、何でもできるやつとは違うんだよ。」

ニシオ「違うよ、俺も何もかも順調なわけじゃない。貧しい家庭で、欲しいものだって全部は手に入らない。でも、大切なのはどう生きたいか、どうありたいかじゃないかな。」

俺「…どうありたいか？」

ニシオ「うん。物はいつか壊れるし、流行は変わる。でも、誰かのために何かをする心や、自分を信じて努力する姿勢は、一生ものだと思う。君も、まだやり直せるよ。」

その言葉は、俺の心に深く響いた。ニシオは、決して物質的な豊かさを求めていなかった。彼は、自分の足でしっかりと立ち、人としての価値を築いていた。

その日から、俺は少しずつ変わり始めた。ヤンキーグループとの関係を断ち、ニシオに勧められた生徒会の仕事を手伝うようになった。学業にも再び真剣に取り組み、少しずつだが成績も回復していった。

卒業式の日、俺はニシオに心からの感謝を伝えた。

俺「ありがとう。お前がいなかったら、俺はきっとこの学校も卒業できなかった。」

ニシオは、いつもの優しい笑顔で答えた。

ニシオ「僕はただ、少し手を差し伸べただけだよ。君が頑張ったんだ。」

その後、俺は大学に進学し、人生をやり直すことができた。どんなにお金や物が手に入っても、それ以上に大切なのは、誰かを思いやり、支え合うことだと学んだ。

ニシオはその後も、周囲の人々に尊敬されながら、確かな足取りで未来へと歩んでいった。彼の存在は、俺にとって永遠に忘れられないものとなった。

[End]

高校生俺「へぇー、アンドロイドなんだ」　高校生任豚「」
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・・・って、心を入れ替えたんだよ！