任豚3歳「うーーー あばばば(^p^)」母(33)「ニシオちゃん、なかなか言葉を話さないのよ」

母はそういう現実を受け入れられなかった。
家に帰るとその診断をすっかり忘れてしまい、息子がじきに成長すると疑わず楽しそうに子育てするのであった。

ニシオ１３歳「うーーー　あばばば(^p^)」母(43)「ニシちゃん、なかなか言葉を話さないのよ」

何度も診察は受けているが母の頭の中はアップデートされない。

ニシオ２３歳「うーーー　あばばば(^p^)」母(53)「ニシちゃん、なかなか言葉を話さないのよ」

ニシオ３３歳「うーーー　あばばば(^p^)」母(63)「ニシちゃん、なかなか言葉を話さないのよ」

ニシオ４３歳「うーーー　あばばば(^p^)」母(73)「ニシちゃん、なかなか言葉を話さないのよ」

ニシオ５３歳「うーーー　あばばば(^p^)」母(83)「ニシちゃん、なかなか言葉を話さないのよ」

母の愛情は変わらなかった。彼女はずっと息子の面倒を見続けた。しかし、歳を取るごとに体力は衰え、介護の負担は増していった。

ある日、母は倒れた。長年の無理がたたって、体は限界を迎えていた。

母「ニシちゃん、ごめんね・・・」

病院のベッドで、母はニシオの手を握りしめた。ニシオはただ無言で、母の顔を見つめていた。

母が亡くなると、ニシオは一人になった。彼には母以外に頼れる人がいなかった。社会福祉の手を借り、特別なケアが必要な人々が集まる施設に入所することになった。

施設での生活は、母と過ごした日々とは大きく異なっていた。専門のスタッフがニシオのケアにあたったが、彼の心にはぽっかりと穴が空いたようだった。

それでも、ニシオは日々を過ごした。施設のスタッフたちは彼に優しく接し、少しずつ彼の心も癒されていった。

ある日、施設の庭で、ニシオはふと空を見上げた。そこには雲ひとつない青空が広がっていた。彼は心の中で母の声を聞いたような気がした。

母の愛情に包まれた記憶が、ニシオの心に温かさをもたらした。

そして、ニシオはいつものように、「うーーー　あばばば(^p^)」と声を出した。それは、彼の精一杯のコミュニケーションであり、母との絆を感じる瞬間だった。

ニシオの人生は、決して楽なものではなかったが、彼は母の愛情に支えられ、そして施設のスタッフたちに守られて、生き続けた。その中で、彼なりの幸せを見つけていったのだった。