任豚(43 無職)が近所のコンビニ店員からつけられてるあだ名「豚キムチ」

ニシオは買い物するときに財布を持たずいつもクシャクシャの茶封筒からお金を取り出す。
小児麻痺なのか痛風なのか不安障害なのか分からないが、小銭を震える指で一枚一枚取り出す。
茶封筒には
『生活保護費
西野西男様
令和７年９月・１０月分
287,620円
次回の支給日は１１月１日です
整理番号 07211919
●●市役所』
と書いてあるので本名も生活保護であることもモロバレである。

生活保護のくせにカロリー高いものばかり買うので太っているのを店員の間でネタにされている。
大好物は豚キムチ弁当なのだが、ニシオが来そうな時刻にわざと隠して品切れにしてしまう意地悪が店員の間で流行っている。
まあ、いつもじゃないけど。

あるとき。
ニシオが豚キムチ弁当を買い物しようとしていつものように現金をプルプルと封筒から取り出す。小銭を落としたりして慌てている。
レジは東大生佐藤くんである。
うしろに並んでいたDQNっぽい客がイライラして
「早くしろよこのオッサン　キャッシュレスも使ってねーのかよ　オレ急いでんだよ！」
バックヤードにいた店長である俺が出ていってもう一つのレジで対応することもできたのだが、わざと出ていかなかった。
もし店員へのカスハラ案件になっても、佐藤くんの頭の良さと問題解決能力の高さなら対処できるだろう。

心配は杞憂でDQNの矛先はニシオにのみ向いていた。悪態は加速する。
ニシオの茶封筒を見て
「おっ　生活保護費だってｗｗｗｗ　社会に寄生するゴミ虫がレジでまで迷惑かけてんじゃねーよ　このナマポブタキムチ！」
バックヤード俺大爆笑。店員間だけのあだ名とピッタリ一致するとは。

ニシオは言い返すこともできず「うぅっ　シュミマシェン　シュミマシェン…」とうなだれながら買い物してとぼとぼと去っていった。
と思ったら店の外の車止めにつまづいて顔から地面にダイブ。持っていた豚キムチ弁当が吹っ飛んで、あろうことかDQNが乗ってきたアルファードのボンネットに中身をぶちまけた。

店からでてきたDQN「😡」
ニシオ「あ・う・う….」

店長俺「しーらねっとｗｗｗｗｗ」
佐藤くん「オレ・・・　オレの父がああいうダメ人間だったんです。だから・・・ああいうみじめな大人にだけはなりたくなくて、必死で勉強して・・・東大に入ったんです」
店長オレ「うん。キミは頑張った。高校の頃からウチの店でよく働いてくれた。電通に内定してるし未来は開かれている。こんなコンビニ店員なんか腰掛けと考えていい。社会で大いに羽ばたく君を楽しみにしてるよ」
佐藤くん「うう・・・　店長。ご恩は一生忘れません（＞＜）」